https://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20190218-00000015-jij-cn

中国の習近平指導部は日本との関係改善を進める一方で、領有権を主張する沖縄県・尖閣諸島に関して態度を軟化させる気配はない。

中国メディアが「第2海軍」と呼ぶ海警局の公船による尖閣周辺での領海侵犯は今年も続いている。安倍晋三首相が昨年10月に北京を訪れ、習国家主席と「互いに脅威とならない」と確認したが、尖閣をめぐる緊張は常態化したままだ。

海上保安庁によると、海警局の4隻の船舶が11日、尖閣諸島沖の領海を侵犯した。昨年12月は、中国公船による尖閣周辺での領海侵犯は1回もなかった。月を通して領海侵犯がなかったのは、日本政府が尖閣を国有化した2012年9月以来初めてで、「関係改善の効果」という受け止めも一部にあったが、今年に入り領海侵犯はすでに4回目となっている。

海警局は日本の海上保安庁に相当する海上法執行機関。国務院(中央政府)に属していたが、昨年7月、軍の最高指導機関である中央軍事委員会の指揮系統に編入された。

中国メディアによると、最近、東シナ海を管轄する東海艦隊の副参謀長などを歴任した王仲才少将が海警局トップに就任した。軍制服組トップの許其亮・中央軍事委副主席は今月初旬、東・南シナ海をパトロール中の3隻の海警局公船と交信し、「さまざまな状況に十分備え、国家の海洋権益を断固守る」よう指示した。

海警局は組織面だけでなく、公船の大型化と武器の充実も顕著で、「海軍との一体化」(外交筋)が進む。海保によると、12年に海保は1000トン以上の船舶を51隻、中国側は40隻を保有していたが、現在では中国が倍以上と逆転し、19年はそれぞれ67隻、145隻になる見通しだ。海警局は退役した海軍艦艇などから大型砲を除去して再利用しているとされる。

1月の米国防情報局(DIA)報告書は海警局について、「圧倒的な世界最大の沿岸警備組織」と分析した。