罰当たり!文化財の仏像盗難 和歌山県内で被害後絶たず


 和歌山県白浜町大古にある「梵音寺(ぼんのうじ)」で、本堂に
保管されていた本尊の釈迦如来坐像が盗まれた。町教育委員会によると、
仏像は町指定の文化財で、14世紀半ばの南北朝時代に制作されたと
推定されるという。白浜署が窃盗容疑で捜査を進めている。
県内で仏像の盗難は後を絶たず、県教委が注意を呼び掛けている。

 町教委によると、仏像は高さ約48センチで、光背(高さ約67センチ)と
台座(高さ約46センチ)が付属していた。2005年に旧日置川町の
指定文化財となり、合併後も白浜町指定文化財として引き継がれている。

 梵音寺の総代を務める小松原昭太さん(66)=白浜町大古=によると、
窃盗の被害に気付いたのは16日午前10時ごろ。地元の住民が清掃に
訪れたところ、勝手口の戸が壊されて、本堂の祭壇に安置していた
仏像がなくなっていた。戸以外に壊されたものはなく、他の仏像も
無事だったという。

 同寺は無住寺で、最後に仏像が確認されたのは法事が営まれた
11日だった。普段檀家(だんか)以外で寺を訪れる人は少ないといい、
小松原さんは「まさか盗まれるとは思わなかった。地元の暮らしを
昔から見守ってくれていた唯一無二の仏像なので、ショックが大きく、
悔しい。他の寺や神社でも、同じ被害に遭わないように気を付けてほしい」と
話している。

 町内には他にも無住寺があるといい、町教委は被害を受けて、
寺や神社などの管理者に仏像の確認や注意を促している。

紀伊民報(2019年2月19日 《火曜日》 )
http://www.agara.co.jp/news/daily/?i=366101

写真【盗まれた釈迦如来坐像(和歌山県白浜町教育委員会提供)】
http://www.agara.co.jp/modules/dailynews/newsphoto/L3661011.jpg
(2019年2月19日更新)