2019年2月24日 18時33分
 ソフトバンクグループ(SBG)が株式市場の荒波にさらされている。

 孫正義会長兼社長は今月の決算説明会でSBGの株価について「安すぎる」と言及。自社株買いを発表して株価を一気に押し上げる剛腕ぶりをみせた。しかし運用額10兆円規模の「ソフトバンク・ビジョン・ファンド(SVF)」が業績を引っ張るSBGは今や投資会社。株価下落局面でも投資手法を駆使して大幅損失は避けているが、米中貿易摩擦など世界経済への不安要因がくすぶり続ける中、今後も株安が業績にショックを与えるリスクは残る。

 「これが複雑怪奇といわれるSBGを表す一行の数式です」。6日に開催したSBGの決算説明会。スクリーンに映った「25−4=9?」という数式を前に、孫氏は力説した。「少なくとも9じゃないですよね」。

 この数式はSBGの株価の割安さをアピールするものだ。孫氏は携帯電話子会社のソフトバンクや米スプリント、中国の電子商取引最大手のアリババグループなど投資先企業の保有株式の価値を25兆円と算出。そこからSBGの純有利子負債4兆円を除くとSBGの株主価値は21兆円との計算が成り立つとした。一方、6日時点の株価では、SBG株の時価総額はたったの9兆円だ。

 孫氏は「(SBGの)株が安すぎる」と訴えた上で、6千億円分の自社株買いを行うと発表し、割安な株を買わなければ損、と巧みに訴えた。翌7日にはSBGの株価は前日終値比約18%も上昇した。

 孫氏はSBGの株価だけでなく、30年10〜12月期に進行した世界的な株安にも神経をとがらせる。グループの収益の柱であるSVFは、貿易摩擦の影響が懸念される米国や中国の企業への投資が多い。代表例が米半導体大手のエヌビディアで、株価急落で時価総額が半減していた。株価下落によるSVFの直接的な評価損は約4千億円に上った。

 こうした中、SVFはリスクを軽減するデリバティブ取引を駆使して損失を抑制。結果、10〜12月期のSVFは前年同期の約3倍超の約1700億円の利益を上げた。今年1月にはエヌビディア株を全株売却し、投資期間を通じてみれば利益を得て投資を回収したという。

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