関西電力 プレスリリース 2019年2月26日
https://www.kepco.co.jp/corporate/pr/2019/0226_2j.html

関西電力株式会社(以下、関西電力)、東芝デジタルソリューションズ株式会社(以下、東芝デジタルソリューションズ)、アルプスアルパイン株式会社(以下、アルプスアルパイン)の3社は、このたび、電力インフラにおける架空地線※1の点検を目的にしたドローンによる自動追尾点検技術を確立し、今後、関西電力の架空地線点検業務への本格導入を目指して、3月に京都府内での点検工事で試験的に導入することとしました。

なお、ドローンの自動追尾点検技術を実際の設備の点検に導入するのは電力会社で初の取組みとなります。

これまで、電力インフラの点検では、落雷による架空地線のアーク痕※2などの設備損傷箇所を把握するために、架空地線上を自走させたカメラの撮影画像により、異常の有無を確認していましたが、山間部などのアクセスしにくい場所では、点検場所への移動等に時間を要するとともに、鉄塔に昇ったうえでの、カメラの設置や自走後のカメラを反対側鉄塔にて回収する作業などが必要でした。

今回3社は、架空地線の点検業務へのドローンの本格的な現場導入に向け、実際の点検業務で想定される、径間※3約600mの長距離飛行や、鉄塔の高低差に起因する20度超の急勾配飛行などのさまざまな飛行条件および、天候によって明るさが異なる状況や背景が山林や湖などのさまざまな撮影条件下で、これまで実証実験を行いました。架空地線の位置を的確に把握するためのセンサーと機体制御技術を組み合わせることなどにより、鉄塔径間の全域にわたり架空地線の鮮明な画像を取得することが可能となりました。
これにより、従来よりも架空地線点検の安全性が向上するとともに、効率化が図れます。

関西電力は、京都府内での点検工事での試験導入の結果も踏まえ、引き続き、本格導入に向けた検討を進めるとともに、電力インフラの点検の効率化に向け、東芝デジタルソリューションズとAIを活用した画像解析による異常箇所の自動検出の実現を目指します。また、東芝デジタルソリューションズとアルプスアルパインは、今回開発した架空地線を自動追尾飛行・撮影するドローンシステムの営業活動を開始します。

※1:雷の直撃から送電線を保護するために、鉄塔の頂部(一般的に鉄塔の一番上)に架けられた接地線(アース線)のこと。
※2:落雷による架空地線のアーク放電の痕跡(表面が溶解したもの)のこと。
※3:鉄塔と鉄塔との間のこと。
以上

別紙pdf ドローンに寄る自動追尾点検技術の概要
https://www.kepco.co.jp/corporate/pr/2019/pdf/0226_2j_01.pdf