産經新聞 2019.3.4 22:24
https://www.sankei.com/affairs/news/190304/afr1903040039-n1.html

 スマートフォンのアプリで漫画を見ながら車を運転し、バイクの女性をはねて死亡させたとして、
過失運転致死の罪に問われた新潟県上越市の元会社員、下山公堂被告(51)の2回目の公判が4日、
新潟地裁長岡支部(岩田康平裁判官)で開かれ、検察側は下山被告が事故の前から日常的にスマホを操作しながら車を運転する「ながら運転」をしていたと指摘した。

 起訴状などによると、下山被告は平成30年9月10日午後9時10分ごろ、同県南魚沼市の関越道で、
スマホで漫画を見ながらワゴン車を時速約100キロで運転し、前をバイクで走っていた
コミュニティ放送「エフエム魚沼」(同市)のラジオパーソナリティー、井口百合子さん当時(39)をはね、死亡させたとしている。

 公判で検察側は、下山被告が事故の数カ月前から、ホラーミステリーなどの漫画をスマホで見ることにはまり、
そのころから「ながら運転」をするようになったと指摘。
事故の直前、車に備え付けられていた「居眠り防止装置」が作動し、警報を鳴らしていたにも関わらず、
そのまま漫画を見続けていたことなども明らかにした。

 公判後、百合子さんの夫の貴之さん(47)は報道陣の取材に応じ、
「改めて、『なぜこんなことで妻が亡くなったんだ』という気持ちがこみ上げてきた。
法的には『危険運転』ではなく『過失運転』にしかならないが、その中でも重い処罰を受け、きちんと反省してほしい」と話した。

 次回公判は4月15日。

◇ 公判後、報道陣の取材に応じる井口百合子さんの夫、貴之さん=4日、新潟県長岡市(太田泰撮影)
https://www.sankei.com/images/news/190304/afr1903040039-p1.jpg