オランダ統括会社を閉鎖へ=ゴーン被告に不透明報酬−日産・三菱自
2019年03月09日07時28分
https://www.jiji.com/jc/article?k=2019030801368&;g=eco

 日産自動車と三菱自動車が、オランダの統括会社「日産三菱BV」を閉鎖する方向で調整していることが8日、明らかになった。統括会社は、日産と三菱自の会長を兼務していたカルロス・ゴーン被告に対し、約10億円の報酬を不透明な形で支出する窓口となっていた。両社は不適切行為の舞台となったことを重く受け止め、統括会社の整理は避けられないと判断した。

 統括会社は、日産が三菱自への出資を決めた直後の2016年6月ごろ、ゴーン被告や側近の間で設立の検討が始まった。日本で開示義務がない報酬を同被告に支払うのが目的だったとされる。ただ、同被告側は三菱自に対し、「提携効果を最大限に引き出す戦略を立案するため」などと説明していた。

 17年6月に日産と三菱自が折半出資で設立し、18年には運営資金として両社が約21億円を拠出。この約半分が18年4〜11月にかけ、統括会社の取締役のゴーン被告に渡った。日産の西川広人社長、三菱自の益子修最高経営責任者(CEO)も統括会社の取締役だが、報酬は受け取っていなかった。

 統括会社には日産と三菱自がそれぞれ社員を派遣しており、実際に業務は行われていたという。両社は今後、統括会社を介さずに連携を強化する仕組みを整える方針だ。