ルソン地方パンパンガ州マガラン町で先月、日本人男性とみられる複数の刺し傷のある遺体が見つかっていたことが10日までに分かった。

 地元警察や日本大使館などの情報を総合すると、遺体は同州アンヘレス市に住み行方不明になっている元学校教師の花倉年英さん(61)=岐阜県出身=の可能性が高いとみられており、警察は殺人事件として捜査、遺体をDNA鑑定し、身元の最終確認を進めている。

 警察によると、遺体は2月19日にマガラン町サンイシドロのトウモロコシ畑で見つかった。

 花倉さんをよく知る現地の知人によると、花倉さんは18日午後、自宅内で自称警察官の知人のフィリピン人女性と話をしていた。監視カメラの映像では、午後3時ごろに女性は部屋をいったん出たが、午後7時半すぎに花倉さん宅前に戻ってきた。女性は部屋の中をのぞき込むなどした後に再び立ち去ったが、花倉さんは午後8時ごろに女性の後を追うように自宅を出た。その後、花倉さんは行方不明になっている。

 警察の捜査で遺体付近からコンドミニアムの鍵が見つかり、警察が花倉さんの自宅を訪れたところドアの鍵と一致したという。警察は、花倉さん宅に出入りしていた比女性が、何らかの事情を知っている可能性が高いとみて女性の行方を追っている。

 花倉さんは日本での仕事を早期退職し、6〜7年前からアンヘレス市で暮らしていた。日本人の知人によると、この比女性は「ドゥテルテ大統領の隠し子の面倒をみている」などと言い大金を持っているかのように振る舞いつつ、花倉さんに重ねて金を借りており、日本人の集まりなどで2人の関係を心配する声が出ていたという。(アンヘレス=森永亨)

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