>>234
平成30年3月22日/東京高等裁判所/第10民事部/判決/平成29年(ネ)2765号
本件規定ただし書の「放送の受信を目的としない受信設備」に当たるか否かについても、
当該受信設備を所持等する者の主観ではなく、放送を受信し、これを視聴しない目的で
あることが客観的、外形的に認められるか否かにより判断すべきであり、このことは、ワン
セグ放送対応の携帯電話機であっても、異なるものではない。そうすると、控訴人がテレビ
放送の受信を目的として本件携帯電話機を購入したわけではなく、実際に本件携帯電話
機でテレビ放送を視聴したことがないとしても、それ故に本件携帯電話機が「放送の受信
を目的としない受信設備」に当たるということはできない。

平成30年3月22日/東京高等裁判所/第2民事部/判決/平成29年(ネ)4375号
放送法64条1項ただし書の「放送の受信を目的としない受信設備」とは、電波監視用の受
信設備、電気店の店頭に陳列された受信設備、公的機関の研究開発用の受信設備、受
信評価を行うなどの電波管理用の受信設備等、放送される番組の視聴を目的としないこと
が客観的に明らかな状況において設置された受信設備をいうものであるところ、専ら設置者
の意思により放送の受信をしないというだけでは、同項ただし書の「放送の受信を目的としな
い受信設備」に該当しないことは明らかである。

平成30年3月26日/東京高等裁判所/第1民事部/判決/平成28年(ネ)4426号
同項ただし書の「受信設備」とは、電波監視用の受信設備、電気店の店頭に陳列された受
信設備、公的機関の研究開発用の受信設備、受信評価を行うなどの電波監理用の受信設
備等を指すと解されていること(乙2)からしても、設置者の主観的な目的によって左右され
るものではないと解すべきである。そうすると、原判決第2・2(6)及び(7)のとおり、ワンセグ
機能を用いて地上デジタル放送のテレビジョン放送を視聴する者も相当数いることに鑑み
れば、ワンセグ機能がある本件携帯電話2が、客観的に放送を目的としないものと認める
ことはできないから、本件携帯電話2が同法64条1項ただし書の「受信設備」に該当する
との被控訴人の主張を採用することはできない。