再審請求中「死刑執行せず」=刑務所、免田栄さん父に手紙

 1983年に確定死刑囚として初めて再審無罪となった「免田事件」の
免田栄さん(93)=福岡県大牟田市=が保管していた資料から、
52年に福岡刑務所が免田さんの父栄策さんに宛てた手紙が
14日までに、見つかった。手紙には「再審請求中は死刑執行されない」
との記述があり、識者は「刑務所名で公式に発された文書で、
現在の運用と大きな違いを示している」と指摘する。

 免田さんは確定判決後、52年6月に再審請求。
手紙は同年10月7日付で、冒頭に「(免田さんは)再審請求を致して
居りますので、その手続きが終了しかつ、法務大臣の命があるまで
死刑の執行はされないのです」と記した上で、火葬手数料について
伝えている。
 手紙は、免田さんが熊本大文書館(熊本市)に寄贈した事件の
関連資料の中にあった。同館併任教員で熊本大の岡田行雄教授
(刑法学)は「当時の運用を知ることができる貴重な資料だ」とみるが、
法務省は「内容を把握しておらずコメントできない。古く、記録もない」
としている。

読売新聞(2019年03月14日20時15分)
https://www.jiji.com/jc/article?k=2019031401235&;g=soc&p=20190314at90S&rel=pv

福岡刑務所が「免田事件」の免田栄さんの家族に宛てた手紙。
再審請求中は死刑執行されないとの記述がある=14日午前、熊本市
https://www.jiji.com/news2/kiji_photos/20190314at90S_p.jpg