2019年03月15日 22時44分 産経新聞
https://news.nifty.com/article/world/worldall/12274-220235/

 【シンガポール=吉村英輝】ニュージーランド南島のクライストチャーチで15日、2カ所のモスク(イスラム教礼拝所)で銃乱射事件が発生し、警察によると49人が死亡、48人以上が負傷した。アーダン首相は「テロ」と断定。警察は男3人、女1人の計4人を拘束した。共犯者の有無や動機の解明などを進める。

 オーストラリアのモリソン首相は、容疑者の1人が豪州市民だとして、「過激主義者で右翼のテロリストだ」と非難した。事件は、イスラム教徒を狙った「憎悪犯罪」(ヘイトクライム)の可能性がある。

 地元メディアによると、銃撃を実行した男は、モスク襲撃の際、自身に取り付けたとみられるカメラで動画を撮影しながら、インターネット上で17分間にわたり犯行の様子を生中継していた。28歳の豪州人「ブレントン・タラント」を名乗り、反移民などを訴える73ページの声明も残していた。

 中継されたとされる映像では、武装した男が運転してモスクに向かい、自動小銃でモスク内の人々を銃撃している様子が映っている。映像の真偽は不明。

 最初の銃乱射は、午後1時45分(日本時間午前9時45分)ごろ、市中心部のハグレー公園近くのモスクで発生。内部では、男性イスラム教徒に義務づけられている、金曜日の礼拝の最中だった。警察によると、このモスクで41人が死亡した。

 さらに、東に約5キロの住宅街にあるモスクでも銃の乱射があり、8人が死亡した。2件の乱射が同一犯によるものかなどは不明。