浜名漁業協同組合(浜松市西区)は、浜名湖・弁天島の観光潮干狩りを今シーズンは中止することを決めた。アサリの不漁が深刻なためで、中止は2017年以来となる。

浜名漁協によると、浜名湖では近年、アサリの漁獲量が落ち込んでおり、今年1月は前年同月比の3割減だった。昨夏の猛暑の影響で水温が高くなり、死んだアサリが目立ったが、不漁のはっきりとした原因はわからないという。

 潮干狩りには毎シーズン約5万人が訪れ、浜名湖の春から夏にかけての風物詩となっていたが、不漁により16年、17年と2年連続で中止となった。観光業への悪影響を懸念する声が強まり、昨年は開催日を5〜8月の計20日間に絞り、人数を1日当たり300〜500人に限定して実施した。

 浜名漁協の河合和弘組合長は、「今年のゴールデンウィークは10連休となり、大勢の観光客に来てもらえると期待していただけに残念だ」と話した。

 漁協は魚による食害を防ぐネットを湖底にはったり、新年度からは毒性の硫化水素を発生するアオサを除去したりするなど、資源の回復に向けた対策を講じる。

https://www.yomiuri.co.jp/national/20190322-OYT1T50008/