https://news.goo.ne.jp/article/toyokeizai/life/toyokeizai-271689.html
大学卒業後に重くのしかかる奨学金、いくら成果を出しても変わらない派遣の給与、収入が低くても受給できない生活保護……。貧困を救う制度は名ばかりなのか、貧困に喘ぐ女性が急増している。彼女たちを取り巻く大きな問題は、「1年後の自分が見えない」ということだ。大学生のような若者だけではない。派遣で働く独身女性、子どもを育てるシングルマザー……、あらゆる世代の女性たちから同じような嘆きの声が聞こえてくる。

明日に希望を持てない人が増える国に、明るい未来はあるのだろうか? いったい彼女たちに何が起こっているのか?

■SOSを求めてくる人は、どんどん増えている
雇用の問題は、本当に諸悪の根源。女性だったら非正規の単身やシングルマザーというだけでかなり厳しい貧困になる。
年間300件くらいの相談があって、男性のほうが若干多い。ネットカフェで生活しているとか、友人宅を転々みたいな人が、どうにもならなくて相談にきます。生活困窮なり借金なり、精神疾患、障害を抱えながらSOSを求めてくる人は、どんどん増えていますね。

■「生活保護」を嫌がる女性たち
かなり苦しい状態でも、女性たちは生活保護を嫌がりますね。郊外になると、特にその傾向があって…女性は受けにくいし、高齢者も持ち家や年金があると受けにくい。ほかの国と比べると捕捉率が低いので、国民がどんどんと貧困化している。
東京だと家賃がかかるだけで貧困化する。住宅扶助だけで生活が立て直せる人は、たくさん存在しますね…女性の貧困は国や自治体の政策からはじまっている印象がある。加害者というか、貧困に誘導している張本人に相談しても、聞く耳を持たないような気がする。

■大学生に対する支援が「なにもない」
女性の貧困はもうどの世代を眺めても、深刻な状態にあるけど、特に女子大生は大変なことになっている。大袈裟じゃなく、膨大な人数がパパ活や風俗に流れていて、正直メチャクチャなことになっている。

これまでの取材で憤りを感じたのは「官製貧困」ですね。自治体の臨時職員とか、介護も保育もそう。今回の取材では、非正規の図書館司書に話を聞いたんだけど、彼女の痛々しい言葉はいまでも忘れられない。

『その日暮らしは十分できます。もっと経済的に厳しい人がいるのも十分承知はしています。けど、ずっとギリギリの生活で、なんの贅沢もしていないのに貯金すらできない。嘱託は1年契約、更新は最長5年と決まっていて、いまは4年目です。来年はすごく頑張っても、仕事で成果を出しても確実にクビになります。低賃金なので蓄えはないし、年齢ばかり重ねて、私はいったいどうなってしまうのだろう』って。

国や自治体が関わる非正規雇用は、最低賃金や最低生活費に合わせて制度設計している。国や自治体が積極的に国民や市民を貧困化させているので、もう救いがない。

自治体が市民を貧困に追い込んでいるんだから、もう仕方ないのかなと思う部分がある。公的機関の男性正規職の女性非正規に対するパワハラもすごいみたいだし、もう日本はダメなんだなって感じる。