日本にとって鉄鉱石の最大の供給国であるオーストラリアで、自動運転で鉄鉱石を長距離輸送する貨物列車が世界で初めて実用化された。

 往復平均800キロを最高時速80キロで走行する。

 「無人」列車を実用化したのは英豪系資源メジャーのリオ・ティントで、日本向け鉄鉱石輸出の最大手。日立製作所の子会社が技術面で協力した。

 豪西部パースの指令所に据え付けられたボードには、北に約1500キロ離れた鉄鉱石の主要産地ピルバラ地区から港に鉄鉱石を運搬する列車の運行状況が表示される。「運転士交代のために列車を止める時間をなくせた」。鉄鉱石部門担当の幹部アイバン・ベラ氏によると、従来は1往復で4人の運転士が必要だったが、自動化により運行が効率化された。

 自動運転技術は日本では旅客用として新交通ゆりかもめにも導入されており、こうした技術を、複雑な地形も含め長距離を走る貨物列車に応用した。日立傘下のイタリア鉄道信号大手「アンサルドSTS」が提供する通信機器やカメラなどを搭載。衛星などを介して運行を監視する。9億4000万米ドル(約1033億円)が投じられ、最初の試運転から10年以上かけて技術を改良し、昨年12月に完成した。

 一度に大量の鉄鉱石を運ぶため約240両の貨車が連なる列車の長さは2.4キロに達する。リオ社は「世界最大のロボット」と呼ぶ。 

時事通信 3/24(日) 7:16
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