千葉地検の支部が、器物損壊事件の被害者女性の住所などを被告側に開示したため脅迫状が届いたとして、国などに損害賠償を求めた訴訟は、さいたま地裁で国との和解が成立した。女性は「誰にでも起こりうるので、二度と同じような被害が起きないでほしい」と話している。

 女性が最初に脅迫状を受け取ったのは、2015年。「(オウム真理教元幹部に殺害された)弁護士坂本一家みたいにならないこと」などと書かれていた。

 女性は、「家を知られているということは、(男と通じている)誰かが来てもおかしくない」と思い、泣きながら地元警察に連絡。事件の捜査をした警察署や検察、被告の元弁護人に説明を求めても、「担当者が異動した」「(住所を)見せるわけがない」などと取り合ってもらえず、自身で弁護士に依頼したという。

 和解では、謝罪などの文言はないが、女性は転居などに伴う実費などの被害回復を優先した。「何もしていないのに、何でこんな目に遭うのかという気持ちはある。経緯が明らかになったので、裁判をしてよかった」と語った。

https://www.yomiuri.co.jp/national/20190324-OYT1T50105/