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タクシーに乗る前に目的地までの運賃を確定させるサービスが年内にも全国で始まる見通しとなりました。

タクシーの運賃は、国土交通省の通達で事前に目的地までの運賃を確定させ利用者に提示することはできない仕組みになっています。
しかし、外国人旅行者などから「車を降りるまで運賃が分からず不安だ」といった声が上がっていました。

このため国土交通省は来月にも通達を改正し、乗車前に運賃を確定させるサービスを認めることにしました。

新たなサービスはタクシーの配車アプリを活用し、利用者が乗車場所と目的地を入力すると距離に応じて計算された運賃が表示され、納得すれば配車を申し込みます。

渋滞に巻き込まれても目的地までの運賃は変わらず、利用者は料金メーターを気にしなくて済むようになります。

事前に確定する運賃は過去1年間のメーター料金の実績をもとに設定される予定で、サービスを始めるタクシー会社は国の認可を受ける必要があります。

通達の改正を受けてタクシー各社が準備を進め、早ければ年内にも全国でサービスが始まる見通しです。

■タクシー「相乗り」や「送迎」も検討へ
タクシーをめぐっては、このほかにもさまざまなサービスの検討が始まっています。

その一つが、1台のタクシーを複数の人が相乗りし、1人当たりの料金を安くする「相乗りタクシー」です。

現在は、交通の便が悪い、山間部や過疎地などで限定的に営業が認められていますが、去年、東京都内でも配車アプリを活用した実証実験が行われました。

アプリで乗車場所と行き先を入力すると、同じ方向へ行く人を探しタクシーに相乗りする仕組みで、利用者の7割から「また利用したい」という声が寄せられました。

このため、今月7日に行われた政府の未来投資会議では、タクシーの利用拡大につながるとして、全国的に解禁する方向で検討していくことになりました。

また、政府は、交通の便が悪い地域で市町村やNPO法人が行っている自家用車を活用した送迎サービスについても、より利用しやすいものにしようとタクシー会社が事業に参画しやすくなる方向で検討を進めています。

ただ、地域を限定せずに自家用車を使って有料の送迎サービスを行ういわゆる「ライドシェア」の解禁にはタクシー業界が強く反対していて、政府も安全性の面などから慎重な姿勢を崩していません。