4月から列車などに刃物類を持ち込む際のルールが変わる。

 適切に梱包(こんぽう)されていなければ、持ち込みが禁止に。昨年6月に東海道新幹線のぞみ車内で発生した殺傷事件を受けた措置だが、手荷物などの中に入っている刃物の状態を把握するのは困難で、実効性が問われそうだ。

 国土交通省が省令を改正。刃渡り6センチを超える刃物は使用されたり、誤用されたりした場合、死傷者が出る重大な結果を招く危険性が高いとして、すぐに使えない状態にしておくことを求めた。

 具体的にはケースに収納したり、刃先を段ボールなどで覆い、飛び出さないよう丈夫な袋や箱に入れたりする対応を例示した。

 一方、刃渡り6センチ以下であれば危険性は高くないとしつつ、袋などに収納する必要があるとしている。

 昨年6月9日、神奈川県内を走行中の新幹線のぞみ車内で発生した事件では、乗客の男になたなどの刃物で切り付けられた男性1人が死亡、女性2人が負傷した。

 バスやタクシーでも4月から同様の制限が始まる。ただ、運転士や車掌が乗客一人ひとりの手荷物を検査することは物理的に難しく、刃物を隠さずに持ち込もうとするケースでない限り、制止できない可能性が高い。今後も、事件防止と乗客の利便性確保をめぐる議論は続きそうだ。

時事通信 3/27(水) 13:05
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