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ジャガイモ潰す?潰さない? ポテサラ協会、広島で決起
有料記事
北村浩貴
2019年3月27日11時0分

 子どもから大人まで、みんなが大好き「ポテトサラダ」。シンプルな料理だが、焼いたのや揚げたものまであり、具材も値段も様々で意外に奥は深い。そんな魅力を伝えるために、昨秋、広島の愛好家3人が「日本ポテトサラダ協会(ポテ協)」を作った。ホームページなどで、各地の飲食店のポテサラの写真と感想をアップ。試みはじわりと輪を広げ始めた。

 きっかけは2018年5月末。広島市内の居酒屋で、WEB制作会社に勤める鈴木裕太さん(25)=同市西区=と同僚の中村裕さん(23)=同=が、好物のポテサラの話題で盛り上がっていた。「なんで唐揚げには愛好団体はあるのに、ポテサラにはないんだ!?」。何か面白いことができるかも。2人は、ポテサラ好きを公言していた同業者の榊原裕希さん(35)=広島市中区=も誘った。

 せっかくだからと、ポテ協の設立は4カ月後の10月10日に決めた。この日がキユーピーの子会社が定めた「ポテトサラダの日」だからだ。ホームページ(https://potasala.jp別ウインドウで開きます)も用意し、「会長」に鈴木さんが就任。インスタグラムやフェイスブックなどのアカウントも設けた。

 スモークサーモンやめんたいこ、ブルーチーズ、いぶりがっこ、ゆずコショウ……。「食レポ」を掲載するために飲食店を取材し始めると、それぞれにこだわった食材が出るわ出るわ。ジャガイモも、潰す派と潰さない派があることがわかった。
 昨年12月末には広島市内で開かれた初のイベントにも参加した。料理上手な広島大の助教との「食べ比べ対決」という内容で、ポテ協は、1本230円のキュウリやひと瓶1200円のマヨネーズ、さらにトリュフ入りの塩などの高級食材を駆使して仕上げた。

 対する助教は10回ほど試作を重ね、3種類のジャガイモに自家製の燻製(くんせい)卵もトッピングした一品で勝負に出た。会場で試食した22人が投票した結果、ポテ協は3対19で完敗。悔しさを胸に、「もっと色々なイベントをしていきたい」と前を向く。

 ちょうどその頃。遠く離れた長崎で、偶然見つけたポテ協のインスタに胸を熱くしている男性がいた。地元のアマチュアミュージシャン尾口陽軌(たかのり)さん(33)だ。
 同好の士と言うべきか。尾口さんも16年秋、「JPA(Japan Potatosalad Association)」と名付けたオリジナル曲を作っていた。ポテ協の正式名称とまったく同じだが、架空の団体のテーマソングのつもりで作ったという。
 ギター伴奏の漫談調で、自身の…
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