読売新聞オンライン 2019/03/29 14:04
https://www.yomiuri.co.jp/national/20190329-OYT1T50168/

 警視庁は29日、いずれも台湾籍で住所職業不詳の男(28)ら20〜44歳の男女9人を入管難民法違反(虚偽申請)容疑で逮捕したと発表した。
9人が出入りしていた甲府市の民家からは、「電信詐欺」と呼ばれる中国版オレオレ詐欺の電話マニュアルなどが押収された。
警視庁は、9人が中国の高齢者らを電話でだます「かけ子」で、日本から国際電話をかけていたとみている。

 発表によると、9人は今月2日、成田空港から入国する際、入国目的や滞在先を偽って申請した疑い。2人が容疑を認め、7人が容疑を否認している。

 9人は観光のため千葉県成田市のホテルに泊まると入国申請していたが、実際は甲府市の一軒家に滞在していた。
警視庁は、台湾の警察当局から「詐欺グループの拠点がある」との情報提供を受け、この家を捜索。
中国語で書かれた詐欺の電話マニュアルや複数の携帯電話などが見つかった。

 容疑者の1人は「マニュアルを見ながら詐欺の電話を中国にかけた」と供述しているという。

 中国では、電話でだますオレオレ詐欺は「電信詐欺」と呼ばれ、高齢者を中心に被害が相次いでいる。
2016年11月には、福岡県筑紫野市で、中国に詐欺の電話をかける拠点が摘発されたほか、スペインやマレーシア、ケニアなど世界各国でも拠点が見つかっている。