https://www3.nhk.or.jp/news/html/20190330/k10011867381000.html

「合意なき離脱ありうる」EU委員長 英議会3回目の否決で
2019年3月30日 19時15分英 EU離脱

イギリス議会がEU=ヨーロッパ連合からの離脱の条件を定めた「協定案」を三たび否決したことを受け、EUのユンケル委員長は「合意なき離脱は起こりうるシナリオだ」との声明を発表し、何の取り決めもないままの離脱となる可能性が高まったと警告しました。

イギリス議会は29日、これまでに2回否決された「離脱協定案」について3回目の採決を行い、賛成286票、反対344票の反対多数で否決しました。

このあと議会前には、離脱が実現しない現状に不満を抱いた数千人の市民が詰めかけ、「離脱の延期は裏切りだ」などと抗議の声を上げました。

協定案が三たび否決されたことを受けて、EUのユンケル委員長は29日、「合意なき離脱は起こりうるシナリオだ」との声明を発表し、双方で何の取り決めもないまま、離脱の期日とする来月12日となる可能性が高まった、と改めてイギリス側に警告しました。

また、EUのトゥスク大統領は来月10日に今後の対応を協議するため、臨時の首脳会議を招集することを決めました。

イギリス議会は合意なき離脱を避けるため、来週、代替案を模索するための投票を行う予定ですが、不透明な先行きに対する懸念が強まっています。