ローマ(CNN)ローマ法王庁(バチカン)は29日、未成年者に対する性的虐待行為により厳しく対処する包括的な新法を発表した。今年6月1日に発効する同法の対象は、バチカン市国内、海外のバチカン関連事務所や大使館となっている。

ローマ・カトリック教会のフランシスコ法王が新法に署名した。同法王は2013年にバチカン市国法を改正し、未成年者が被害者の性的暴力を犯罪と規定。今回の新法では、子どもへの性的虐待問題で市国や海外の施設を対象に包括的かつ特定の手続きを初めて打ち出した。

新法では性的虐待の可能性がある事例のバチカン当局への報告の義務付けが盛り込まれた。未成年者への性的虐待が確認された、関与した一切の職員の自動的な解雇も決まった。

また、聖職者らによる犯罪の報告期間の時効を被害者が18歳になった後の20年間に引き上げた。旧来の法では疑われる犯罪発生の日時から4年間だった。

さらに、バチカンが採用を検討する職員については子どもに接する職務の適否を見極める特別審査を受ける手続きも定められた。

今回の新法は、バチカンが聖職者による子どもらへの性的虐待問題の多発について話し合うため先月開いた異例の会議を受けたものともなっている。

ローマ法王庁によると、バチカン市国内の住民は約800人で、市国籍の保持者は約450人。バチカンのためにローマ市内や海外の大使館で働いている聖職者、修道女や一般的な職員は推定で5000人となっている。

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