数少ない白熱電球メーカー、100余年の生産に幕

メトロ電気工業、今夏までに

 メトロ電気工業(愛知県安城市)は、1913年の創業時から手がける
白熱電球の生産を今夏までに終了する。省エネルギー性能の高い
発光ダイオード(LED)電球への切り替えが進み、白熱電球の需要は
激減。パナソニックなど大手は撤退済みで、数少ないメーカーの
1社だったメトロ電気も100余年の歴史を持つ祖業に幕を下ろす。
カーボンヒーター管事業に経営資源を集中する。

 メトロ電気はトーマス・エジソンを源流とする米ゼネラル・
エレクトリック(GE)出身技術者が、白熱電球の生産を目的に
横浜市で創業。戦前は日本海軍の航空母艦の照明に採用された
実績もあり、戦後はOEM(相手先ブランド)供給による一般照明用の
ほか、シャープや三菱電機の冷蔵庫の庫内灯用などとして
生産してきた。

 ただ照明のLED化が進み、19年3月期の出荷量見込みは約330万個と、
14年3月期に比べ半分近くまで減少。中国・浙江省の子会社で生産
(写真)しているが、ガラスの現地仕入れ先が生産をやめたことが
引き金となり、祖業を終える決断をした。白熱電球をめぐっては、
政府の要請もあり、パナソニックや東芝など大手はすでに
生産撤退した。

 メトロ電気の19年3月期の売上高は32億円の見通しで、
白熱電球事業は10%強。こたつ用熱源ユニットが主力だが伸びが
見込めず、現在は赤外線ヒーターの一種、産業用カーボンヒーター管
事業に注力している。中国の工場では白熱電球終了後、
カーボンヒーター管の生産を増強する。


ニュースイッチ・日刊工業新聞(4/3(水) 8:53配信)
https://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20190403-00010002-newswitch-ind