太宰治クズエピソード

・親友の檀一雄を借金のカタとして置き去りにする

太宰治の奥さんに頼まれて、熱海にいる太宰にお金を届けにいった檀一雄。
しかしそのお金を使って2人で豪遊してしまい、宿代が払えなくなります。
仕方がないので、太宰治が「菊池寛にお金を借りてくる」と東京に帰り、檀一雄は借金のカタとして熱海に残ることに。

しかしいつまで経っても太宰が戻ってこないので、痺れを切らした檀一雄が宿の人と共に東京に帰ると、太宰治は師匠の井伏鱒二の家でのんきに将棋を指していた。

檀一雄が怒って詰め寄ると、太宰は泣き出しそうな顔をして「待つ身が辛いかね、待たせる身が辛いかね」と無茶苦茶な返答をしたといいます。一瞬だまされてしまいそうですが、いやいや、この場合どう考えても待つ方が辛いだろうよw

『走れメロス』の元になったのは、シラーの詩『人質』ということなのですが、檀一雄は、その他にもしかしたら熱海事件も『走れメロス』のベースになっているのかも……と考えたようです(太宰治はメロスと違って戻ってきませんでしたが……)。

もしかしたらなのですが、太宰治には、重大な問題が起きても、放っておけば時間や他の誰かが解決してくれる……というか、そうなったらいいなという甘えがあったのかもしれません。
熱海のエピソードとはまた別の話なのですが、妊娠中の愛人が弟と共に太宰治を訪ねてきたにもかかわらず、2人をバーに連れていきドンチャン騒ぎをし、2人とまともに話そうとしなかった……というエピソードからも、そういった性格が垣間見えます。

檀一雄報復エピソード
昭和十二年春のある晩のこと、ふたりは、荻窪の鰻屋に飲みにいった。そこでいいかげん酔っているのに、さらに酒一升買って、太宰のアパートで酒盛のつづき。
ぐでんぐでんに酔っぱらうと、太宰は檀に、いっしょに死のうと言いだした。(中略)今度はガス自殺しようと言う。檀も、酒で完全に思考力がマヒ。すっかりその気になって、コンロからゴム管を引き抜いてガスを出した。
それでふたりで布団にもぐり込んでいるうちに、太宰は熟睡。だが運よく、檀は寝込む前に正気にかえり、あわててガスコックを閉じたという(もちろん太宰治は放置したまま)