海トラフで巨大地震が起きる可能性を評価する定例の検討会が開かれ、「特段の変化は観測されていない」とする見解をまとめました。

気象庁で開かれた検討会では、想定震源域やその周辺で観測された今月にかけてのデータを専門家が分析しました。

四国や紀伊半島でプレートの境目付近を震源とする「深部低周波地震」と呼ばれる小規模な地震が観測され、これに伴って複数の「ひずみ計」でわずかな地殻変動が観測されたということです。

想定震源域の深いところでプレートの境目がゆっくりずれ動く、「短期的ゆっくりすべり」が原因とみられ、過去にもこの領域で起きているということです。

地殻変動は九州北部や四国西部でも観測されていますが、これは想定震源域の深いところでプレートの境目が年単位でゆっくりとずれ動く、「長期的ゆっくりすべり」が原因と考えられ、過去にも同じような変化が観測されているということです。

このほかのデータも含めて判断した結果、検討会は「巨大地震の発生の可能性が平常時と比べて相対的に高まったと考えられる特段の変化は観測されていない」とする見解をまとめました。

評価検討会の会長で、東京大学地震研究所の平田直教授は「『平常時』とはいえマグニチュード8から9クラスの地震が極めて高い確率で起きる状態に変わりはなく、震源域のそばの皆さんは引き続き備えてほしい」と話していました。

2019年4月5日 18時42分
https://www3.nhk.or.jp/news/html/20190405/k10011874531000.html
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