今年に入り、山形県内で交通死亡事故が多発している。3月末までの死者数は前年比10人増の13人で、増加率は全国ワーストの333.3%。今年は例年より降雪量が少ないが、同県警交通企画課は「雪が少ない分、スピードの出し過ぎが重大事故につながっている可能性がある」と分析する。

 山形地方気象台によると、今年1〜3月の降雪量は、山形122センチ(平年比208センチ減)▽酒田101センチ(同154センチ減)▽新庄455センチ(同171センチ減)▽米沢310センチ(同266センチ減)――などと軒並み少なかった。

 3月末までの交通事故の発生件数は前年比257件減の1184件で、スリップ事故は同134件減の232件と大幅に減っている。同課によると、雪が多ければ路面凍結によるスリップ事故が増えるが、徐行する車が多くなるため死亡事故は減る傾向があるという。

 事故で当事者となった運転手が、危険を察知してからブレーキを踏んだりハンドル操作をしたりと危険回避措置を取る事故直前のスピードを推測した「危険認知速度」という指標がある。同課によると、過去5年間の冬場(1〜2月)の平均は約59キロだったが、今年(同)は約75キロだった。同課は「雪が少なくスピードが出ていたために、衝突した際の衝撃が大きく死者数が増えたのではないか」と見ている。【的野暁】

毎日新聞2019年4月5日 19時13分(最終更新 4月5日 19時13分)
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