https://jp.wsj.com/articles/SB10387045459312313712904585231443159340702

米大統領選の異色候補、時代の変化を体現
同性愛者を公言する若手候補の出現、古いしきたりからの脱却を示す

By Gerald F. Seib
2019 年 4 月 9 日 10:57 JST
――筆者のジェラルド・F・サイブはWSJチーフコメンテーター

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 米国で20年前、あるいは10年前でも、同性愛を公表している37歳の中規模都市の市長が演壇に上がり、大統領選挙の予備選に出馬すると表明したらどうなっていただろうか。嘲笑を浴びて演壇を降りざるを得なかったか、ほとんど無視されていたことだろう。

 しかし今、インディアナ州サウスベンド市の市長を務めるピート・ブーティジェッジ氏は、予備選に出馬するだけにとどまらず、全米で最も注目度の高い候補になる可能性がある。同...

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米インディアナ州サウスベンドのピート・ブーティジェッジ市長(2016年9月26日撮影)。(c)derek henkle / AFP
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https://www.afpbb.com/articles/-/3207898?cx_amp=all&;act=all

【1月24日 AFP】米インディアナ州サウスベンド(South Bend)のピート・ブーティジェッジ(Pete Buttigieg)市長(37)が23日、2020年米大統領選に民主党から出馬すると表明した。同性愛者だと公表している人物として初の大統領候補指名獲得を目指している。可能性は低いものの、もし本選で勝利すれば米史上最年少の大統領となる。

 ブーティジェッジ氏は米海軍予備役で、市長の役職を休職してアフガニスタンに従軍した経験を持つ。生まれも育ちもサウスベンドで、米ハーバード大学(Harvard University)で歴史の学位を取得したほか、ローズ奨学生(Rhodes Scholar)として英オックスフォード大学(University of Oxford)に留学。29歳の若さで市長に当選し、「神童」の異名をとる。昨年、教師のチェイスン・グリーズマン(Chasten Glezman)さんと同性婚をした。

 ブーティジェッジ氏は23日、大統領選に向けた準備委員会を立ち上げ、次期米大統領選への出馬を正式に表明。インターネット上で公開した約2分の動画の中で、自身を実行力のある改革主義者だと表現し、「今まさにわが国は新たなスタートを必要としている」と訴えた。

 中規模都市のサウスベンドを復興したことで、ブーティジェッジ氏はミレニアル世代に評価が高い。動画では「現実の世界には、やり直しなどない。過去の素晴らしさにすがることはできない」と語り、幾多の困難に直面しながらも過去より未来を重視する新世代の一員として、自身をアピールした。

「われわれは学校乱射を生き延び、9.11(米同時多発攻撃)後の戦争に従軍した世代だ。親世代より少ない収入に甘んじなければならない最初の世代でもある──われわれが何か違うことをしない限りは」

 共和党のドナルド・トランプ(Donald Trump)大統領への言及はなかったが、首都ワシントンで行われている「ショー」について「汚職やけんか、うそつき、危機。こんなものは終わりにしよう」と呼び掛けた。

 ブーティジェッジ氏は将来の大統領候補として以前から名前が挙がっており、米紙ニューヨーク・タイムズ(New York Times)は2016年6月、「初の同性愛者の大統領?」との見出しとともに同氏を紹介していた。

 ただ、民主党では次期大統領選への出馬表明が相次ぎ、マサチューセッツ州のエリザベス・ウォーレン(Elizabeth Warren)上院議員、カリフォルニア州のカマラ・ハリス(Kamala Harris)上院議員、ニューヨーク州のキルステン・ジリブランド(Kirsten Gillibrand)上院議員、フリアン・カストロ(Julian Castro)元住宅都市開発長官ら、候補者レースは既に混戦状態となっている。(c)AFP