Report
《 2019.3.13 》
= 社保審・介護給付費分科会 =

介護職員の賃上げに向けて今年10月に新設される「特定処遇改善加算」− 。勤続10年以上の介護福祉士が主な対象となるが、“勤続10年以上”の具体的な定義はどうなったのか?

厚生労働省は今月の審議会で、その考え方を改めて整理して明示している。

“勤続10年以上”の定義は個々の事業所の裁量で設定できる。これが結論だ。

厚労省によると、同一の法人で10年以上働いていなくても、介護福祉士の資格を取ってから10年以上経っていなくても構わない。別の法人に務めていた期間も、医療機関で仕事をしていた期間も、障害福祉の現場を支えていた期間も、全て考慮に入れることが可能だ。

審議会での厚労省説明資料

そもそも、必ずしも“勤続10年以上”にこだわって考える必要すらない。そのスキルや仕事ぶりなどを勘案し、事業所が「この人は経験・技能のある介護福祉士だ」「この人の給料を上げたい」と判断すれば、たとえ“業界10年”に至っていなくても対象として扱える。

厚労省が重視しているのは、現場を牽引するリーダー級の介護福祉士が最も高く評価されること。“勤続10年以上”はあくまで目安でしかないとしている。

裏を返せば、1つの法人で10年以上、あるいはもっと長く働いている介護福祉士であっても、事業所が認めなければ高い評価は受けられない。厚労省は今月の審議会で、「そこもそれぞれの判断」と明言。ただ長くいるだけ、資格を持っているだけでリーダー級とは言えない人は、対象から外してもよいと説明した。

事業所の裁量を大きくした狙いは、個々の能力や職場内のバランスなどを勘案した柔軟な賃上げを実情に応じて行えるようにするため。ただし、介護福祉士の資格を持っていることは確固たる要件となる。厚労省は今月末にも、解釈通知やQ&Aを出してルールをより明確化する予定だ。

ソース
https://kaigonews.joint-kaigo.com/article-10/pg393.html