夜の政治
2019年4月12日 11時0分 NEWSポストセブン
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 内閣官房長官は、総理の直接の補佐役であり、各省庁の官僚たちのまとめ役や、災害時の対応、1日2回の記者会見を開くなど幅広い役割を担う「政権の要」。その重要ポストに2298日(4月11日時点)も在任し、歴代最長記録を更新中の凄腕議員・菅義偉氏(70才)が、にわかにスポットライトを浴びている。

 きっかけは4月1日、菅氏が、新元号「令和」を掲げたこと。ほとんど政治に興味のなかった若い女性たちから「あの七三分けの人、かわいい」などの意外な評判があふれ、官房長官は一躍「令和おじさん」として、世間に認知されたのである。

 これまで安倍晋三総理(64才)の陰に隠れてきた菅氏とは、どんな人物なのだろうか。

◆集団就職してきた苦労人

 菅氏はいわゆるサラブレッドではない。秋田県のいちご農家に生まれ育ち、高校卒業後に集団就職で上京。段ボール会社で働きながら学費を貯めて大学に進学し、横浜市議を経て国会議員にまでなった、叩き上げの苦労人である。菅氏に関する著書を持つ作家の大下英治氏が語る。

「菅さんの武器は、他の政治家にはない“したたかさ”と“胆力”、そして“調整力”です。民主党政権だった2012年8月、総裁選出馬を迷っていた安倍さんを、銀座の焼き鳥店で口説き落としたのは菅さんです。だから安倍さんは総理に返り咲いた後、官房長官に菅さんを据えることを真っ先に決めた。菅さんの存在がなければ、今の長期政権はあり得なかったのです」

 菅氏は2007年、総務大臣時代に「ふるさと納税」を発案するなどさまざまな実績を持つが、人前で誇ることはない。

「目立つことを嫌うタイプで、非常に謙虚。菅さんは安倍総理より6才年上ですが、総理が親しみを込めて“すがちゃん”と呼ぶのに対し、菅さんはいつでも“総理”と呼ぶ。くだけた会話をすることもない」(自民党関係者)

◆パンケーキが大好き

 謙虚な性格は食事にも出ている。

「昼食はいつも蕎麦で、5分程度で食べ終わるのがルーティン。選挙の時に地元・横浜を回る時はマクドナルドやジョナサンで済ませます。味覚はかなりの庶民派です」(前出・自民党関係者)

 体質的にお酒はほとんど飲めない。そんなストイックな菅氏は「甘党」で、パンケーキが好物という一面もある。

◆RADWIMPSとの思い出

 ほとんど明かされていないプライベートはどうか。菅氏は市議になる前に国会議員の秘書を務めていたが、その時代に同僚の姉で5才年下の真理子夫人と結婚。3人の息子に恵まれている。

「菅さんは教育熱心で、東大に入った息子さんもいます。今は3人とも民間企業に勤めていて、菅さんも政治家にさせる気はないようです。ちなみにRADWIMPSのボーカル・野田洋次郎さん(33才)は、菅さんの三男と同級生らしく、中学生の時、酔っ払った菅さんにいろんな話をしてもらったことが印象深かったそうです」(後援会関係者)

◆目指すのは2位。本心は…

 そんな菅氏は最近、“次期総理候補”と囁かれるようになった。菅氏は市議時代、当時の秘書に「いつかおれは国政に出て、幹事長か官房長官になる。そうすれば政治家としては本望だ」と語っており、「ナンバー2」をゴールとしてきた。すでに望みは叶えたわけだが、前出の大下氏はこう言う。

「故・小渕恵三官房長官が『平成』の額縁を掲げた時も、当時は誰も小渕さんがその後、総理(1998〜2000年)になるとは思っていなかった。菅さんは周囲に“自分が総理なんてとんでもない”というスタンスを取っていますが、実績は申し分ない。内心では意欲を持っているでしょう」

 実力に加えて“凄かわいい”で国民人気を兼ね備えたことで、「菅総理」が現実味を帯びてきたようだ。

※女性セブン2019年4月25日号