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前法王ベネディクト16世、聖職者の性虐待は「性の革命が原因」
2019年04月12日

ローマ法王を6年前に生前退位したベネディクト16世が、キリスト教聖職者による性的虐待は1960年代の「性の革命」が原因だとする書簡を発表し、議論を呼んでいる。

前法王は、こうした文化的・歴史的な変化がカトリック教会の倫理観を「死滅」させたと指摘。性の革命によってカトリック教会に同性愛や小児性虐待が入り込んだと説明した。

これに対し、神学者などから強い批判の声が挙がっており、中には「大きな欠陥のある内容だ」とする意見もある。

ナショナル・カトリック・リポーターのジョシュア・マケルウィー記者は、「この書簡は性的虐待の隠ぺいをほう助した構造的問題や、批判の的もになっている、ベネディクト自身の24年にわたるヴァチカン高官としての責務に言及していない」と指摘した。

また、司教による児童性的虐待疑惑の一部は、前法王が虐待が始まったとする1960年代よりも前に起きていることが分かっている。

カトリック神学者のジュリー・ルビオ氏は、「ベネディクト16世の聖職者の性的虐待に関する書簡は内容に大きな欠陥がある。(1960年代に開かれた)第2ヴァチカン公会議以降にどのように倫理神学、教会論、性的倫理観が発展したかの分析に、根本的な懸念をもっている」とツイッターで述べた。
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