2019/04/15 09:59

 北朝鮮の金正恩(キム・ジョンウン)朝鮮労働党委員長が12日、最高人民会議第14期第1回会議で29年ぶりの施政演説を行い、米国の非核化「ビッグディール」要求を一蹴(いっしゅう)した上で、対北朝鮮制裁を耐えぬくという覚悟を表明した。文在寅(ムン・ジェイン)大統領に対しては「出しゃばりな仲裁者・促進者のように振る舞うのはやめろ」と言った。事実上、非核化を蹴り、米国にはさらなる譲歩を、韓国には自分たちの味方になるよう通達するかのように要求したものだ。

 金正恩委員長は演説で、「米国との対峙(たいじ)はどうせ長期的な面を帯びることになっており、敵対勢力の制裁も続くだろう。長期間にわたる核の脅威を核で終息させたように、敵対勢力の制裁突風は自立・自力の熱風で掃き捨てなければならない」と言った。極度の耐乏を経てでも米国の非核化要求に応じず、長期戦を展開するということだ。

 トランプ政権の対北朝鮮アプローチについては「体質的に合わず、興味もない。(ベトナム)ハノイのような(米朝)首脳会談が再現されるのはうれしくもないし、やる意欲もない」と述べた。非核化についても「ちりやほこりほどの譲歩・妥協もしないだろう。米国が今の政治的計算法にこだわるなら、問題解決の見通しは暗く、非常に危険なことだ」と言った。米国の「新たな計算法」を要求したものだ。これについて、在日本朝鮮人総連合会(朝鮮総連)の機関紙「朝鮮新報」は、金正恩委員長が軍事分野の「別の行動措置」を要求したと報じた。 3回目の米朝首脳会談で戦略資産の韓半島(朝鮮半島)展開禁止、韓米合同演習の永久中止、在韓米軍撤退、米国の「核の傘」除去などを求める可能性があるということだ。

 文在寅政権に対しては「民族の一員として(米国に)言うべきことは堂々と言い、民族の利益を擁護する当事者でなければならない」と述べた。自分の味方になり、米国を説得するよう露骨に要求したものだ。

 ただし、金正恩委員長は「今年末まで忍耐を持って米国の勇断を待ってみる」と対話の扉は閉ざしていない。トランプ米大統領については「我々は依然として素晴らしい関係」とも言った。外交消息筋は「金正恩委員長は年末の米大統領選が本格化すれば、外交成果に飢えているトランプ大統領が非核化の基準を下げると見込んで、『持久戦略』でいくようだ」と分析した。トランプ大統領はツイッターで、「3回目の首脳会談がいいことだという点に同意する」とだけ述べた。

http://www.chosunonline.com/m/svc/article.html?contid=2019041580028