https://www.bbc.com/japanese/47944140

米ピュリツァー賞、銃撃で従業員5人死亡の地方紙に
2019年04月16日

アメリカ・メリーランド州の小さな新聞社「キャピタル・ガゼット」が15日、同国の優れた報道に贈られるピュリツァー賞(特別賞)を受けた。同社は昨年6月の銃撃事件で従業員5人を失った。

ピュリツァー賞は、アメリカのジャーナリズムにおいて最も権威ある賞とされ、同国コロンビア大学が毎年選出する。

キャピタル・ガゼットにピュリツァー賞受賞の知らせが届いたとき、社内に祝福ムードは生まれなかった。社員たちは静かに抱き合い、亡くなった5人の同僚に思いを寄せた。

昨年の銃撃は、同紙を長年恨んでいた男性によるもので、アメリカの報道機関への攻撃としては過去最悪だった。
同社は深刻な被害に見舞われながらも、翌日の新聞を発行した。その報道姿勢と勇気が、ピュリツァー賞の選考委員会に評価された。

銃乱射事件報道の2紙も受賞

同紙のほか、銃乱射事件を報道した地方紙2紙も今年のピュリツァー賞を受賞した。

「ピッツバーグ・ポストガゼット」は速報部門で受賞。昨年10月にペンシルバニア州のユダヤ教会堂で11人が殺害された事件の報道が、「迫真性が高いながらも、思いやりがある」とされた。

最も栄誉あるとされる公益部門は「サウスフロリダ・サン・センティネル」に贈られた。昨年2月にフロリダ州のマージョリー・ストーンマン・ダグラス高校で17人が殺害された事件の報道について、「銃襲撃事件前後の学校と警察による失態を明らかにした」と評価された。
(リンク先に続きあり)

昨年6月の銃撃事件で殺害された「キャピタル・ガゼット」の従業員たち
https://ichef.bbci.co.uk/news/410/cpsprodpb/6BAE/production/_102266572_compo.jpg