【ロンドン時事】日英友好の象徴として、5000本以上の桜を英国各地に寄贈する計画が進んでいる。

 既に植樹が始まっており、2020年の春には一部で花を咲かせる。日本から贈られた桜としては、100年以上前に米国に渡ったワシントンのポトマック河畔の桜が有名だが、英国でも日英関係を華やかに彩ることになりそうだ。

 主要な発起人の佐野圭作・英国日本人会会長は「今後100年にわたって語り継がれるだろう」と述べ、これをきっかけに日英の文化交流がさらに深まることを期待している。日英両首脳も共同声明でこの動きに歓迎を表明した。

 ロンドンの代表的な公園リージェンツパークには36本が今年秋に植樹される。20年春には「桜祭り」も計画されている。

 約6000万円に上る必要資金も日本企業などの寄付で集まった。資金調達を担った日英協会の塚本隆史理事長(元みずほフィナンシャルグループ社長)は「英国の欧州連合(EU)離脱という難局でも緊密な関係は揺らがない、との認識が広く共有されている」と語る。

 英国側からも歓迎の声が上がっている。ルーク・グラハム下院議員は地元での植樹を議会で報告し、「議員の皆にも来てほしい。近い将来に誰もが桜を楽しむことができるだろう」と呼び掛けた。

 桜は英国各地の約80カ所の公園などに植えられるほか、ケンブリッジ大学など各地の学校にも贈られる予定。桜の品種はソメイヨシノや紅豊、太白。太白は日本で一度姿を消したが、英園芸家コリングウッド・イングラム(1880〜1981年)が英国の自宅で守り育て、日本に里帰りさせた品種として知られる。 

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