福島第1原子力発電所事故による避難指示が一部地域で解除された福島県大熊町で24日、完成したイチゴの栽培施設が報道陣に公開された。冬春イチゴの「とちおとめ」や夏秋イチゴ「すずあかね」など6品種を周年栽培し、従業員は通年雇用する。町などは農業振興や雇用創出の場として期待を寄せる。7月中旬の初出荷を目指す。

 同町は10日に町全体の約38%に当たる一部地域の避難指示が解除された。第1原発が立地している自治体としては初めて。施設は町が建設し、同町の第3セクター(株)ネクサスファームおおくまが運営する。施設面積2・88ヘクタールの中には、複合環境制御を行う軒高4・5メートルの栽培施設の他、1分間に最大8キロを非破壊で放射性物質検査できる施設なども備える。

 同社は初年度の売上高目標を2000万〜3000万円とし、将来的に2億円を目指す。吉田淳社長(同町副町長)は「町内の雇用の場の一つ。おいしくて安全なイチゴなら全国の消費者に受け入れてもらえると思う」と品質に自信を見せた。

 当日は「すずあかね」の苗の仮植作業や定植作業を公開した。従業員の一人で、同町出身の梅田拓身さん(25)は「地元の復興の助けになりたい。町が以前のように戻ったらうれしい」と話した。

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