新元号「令和」について話す中西進さん(永田直也撮影)
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 ■「元号は文化。新しい時代の目標」

 わが国最古の歌集「万葉集」が典拠となった新元号「令和」。元号の考案者とみられている万葉集研究の第一人者、中西進さん(89)が産経新聞のインタビューに応じ、「令和」に込められた平和への祈りについて語った。国書を典拠とする元号は初めて。また「令」の文字が元号に使われるのも初めてで、その本義は「形が整っていてうるわしい」という意味だという。中西さんは、その「うるわしき和の精神」を世界に広めていくことが次代の日本人の務めだと語る。新元号「令和」について、産経新聞社とFNN(フジニュースネットワーク)が行った合同世論調査では、「良いと思う」と感じている人が87.0%を占めているという。中西さんは「元号は文化であり、新しい時代の目標となる価値観」と強調している。(深堀明彦、横山由紀子)

 ◆「令」は美しく善

※省略

 ◆万葉歌人の品格

 −−典拠となった万葉集は日本最古の歌集であり、庶民の歌まで収録しているという点で世界にも類例がないといわれています。その一方で戦前、軍国主義を正当化するために利用されてしまったという歴史をもっています

 中西 権力者が自分の都合で古典を利用するのはありがちな誤りですが、万葉集は本来、勝者のおごりを表現するものではありません。

 なぜ旅人が大宰府の帥になったかというと、当時の新興勢力であった藤原氏が、一族出身の光明子を聖武天皇の皇后にしようとして、邪魔な旅人を左遷したからです。続いて藤原氏は、左大臣の長屋王を自害に追いやった。

 その後、旅人の去就が注目されるなか、旅人は藤原氏に琴を贈りました。そして書状で自分を琴になぞらえて、自分の生き方を宣言するんです。「あなた方は私の軍事力を気にしているけれど、私は役に立つつもりはありませんし、反対に、あえて戦いを望んであなたと対峙(たいじ)することもありません」と。

 どうですか? この品格にしみじみと感動しませんか。万葉歌人の中でも旅人こそは最も高邁(こうまい)で一番すてきな男性です。

 −−旅人の子で万葉集の編纂者(へんさんしゃ)と目される大伴家持(おおとものやかもち)も、暗に藤原氏の専横に和歌を通じて抵抗していました

 中西 そうですね。しかし対立する2つの勢力があるとき、選択肢は戦いか屈服しかないと考えがちですが、私は必ず第3の選択肢があると思っています。それを世界に示すことができるのが日本であり、日本の務めであると考えています。

 ◆心のよりどころ

 −万葉集が編まれた天平の時代は、正倉院御物に見るように、多くの渡来人がやってきて大変国際的な時代でした。そして仏の力によって天下太平を実現しようと大仏開眼が行われるなど、現代に通じるものを感じます

 中西 天平時代は、さまざまな混乱を乗り越えて、平和な社会を築こうとした時代でした。ですから「天平」という元号には必死の願いがこもっていたと思います。

 そのなかで美術や文学などの文化が栄えた。和歌的なものがもてはやされ、平和への祈りや、さまざまな人々の偽らざる歌声となった。そういう歌が万葉集としてまとめられ、遺産として残っているのです。

 万葉集の中に息づく平和への祈りを実現するのが、「令和」の時代の役割だと思います。

 −−新聞でも西暦を採用する例が増えるなど、西暦が一般になじんで、元号不要論も出ています

 中西 元号は、みんなが「こういう時代にしようよ」という目標なんですよ。心のよりどころといってもいい。元号は制度と思われるかもしれませんが、むしろ人々の生き方を示す文化、志というべきものです。そういう文化を残す国が世界にひとつくらいあってもいいでしょう。

 誤解を恐れずに言えば、西暦は時間経過を示した数字にすぎない。これに比べると元号はおしゃれですよね。手紙を書くときに西暦よりも元号の方が美しいでしょう。(続きはソース)

4/29(月) 10:00配信
https://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20190429-00000505-san-soci

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https://lavender.5ch.net/test/read.cgi/news4plus/1554453508/