津波による損傷から修復された子どもみこし
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 東日本大震災の津波で被災した宮城女川町の白山神社の子どもみこしが修復され、5月3日の例大祭で、2010年以来9年ぶりにお披露目される。

 みこしは高さ120センチ、幅60センチで、同神社が新潟県の神仏具を扱う業者に修復を依頼した。半年をかけて表面に漆を塗り直すなどの修復作業を施し、今月17日に同町へ届けられた。

 震災当時、みこしは津波で全壊した神社本殿に保管されていた。流失は免れたものの海水をかぶり、漆が浮き上がったり、金属製の飾りがさびたりするなど大きく損傷した。

 修復に当たり、サッポロホールディングス(HD)がNPO法人アスヘノキボウ(女川町)を介して資金を支援した。昨年東京で開いたイベントでのビール売上金の一部を充てた。

 同町で19日、支援金の目録贈呈式があり、須田善明町長は「津波で多くのものを失ったが、次の世代に伝承できるものを手にできたことはうれしいことだ」とあいさつした。

 神社総代会の佐藤良一会長(73)は「地域のつながりが深まるきっかけになる」と期待を寄せた。

河北新報 2019年04月30日火曜日
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