米国務長官、イラクを電撃訪問 訪独はキャンセル
2019/5/8 6:24 (2019/5/8 7:20更新)
https://www.nikkei.com/article/DGXMZO44507620Y9A500C1000000/

【ワシントン=中村亮】ポンペオ米国務長官は7日、イラクの首都バグダッドを予告なしに訪問した。イラクのアブドルマハディ首相らと会談し、中東で影響力を強めるイランへの対応を協議した。ポンペオ氏は同日に予定していたドイツ訪問を直前にキャンセルし、その理由を「緊急の用件」と説明したが次の訪問国を明らかにしていなかった。
イラク駐留米軍に対してイランが攻撃を計画したと報じられており、イラク首脳と今後の治安維持やイラン政策で意見交換した。ポンペオ氏は6〜7日にフィンランドを訪問し、北極評議会に出席した。7日中にベルリンに移動しメルケル首相と会談する予定だった。
米メディアによると、ポンペオ氏がフィンランドを離れた際には同行記者団に次の行き先が知らされなかった。政府関係者は記者団に対して次の訪問先からの報道に制限がかかり、その国を離れてからでないと報道できない可能性もあると説明したという。
国務省は1日、ポンペオ氏の訪欧予定について、6日にフィンランド、7日にドイツ、8日に英国、9日にデンマーク領グリーンランドを訪れると発表した。英国やグリーンランドは予定どおり訪問するとみられる。
トランプ政権下で要人の訪問予定を事前公表しないケースでは、2018年12月にトランプ大統領がイラクの空軍基地を訪れて駐留米軍を激励したことがあった。米中央情報局(CIA)長官を務めたポンペオ氏が18年春に北朝鮮を訪問した際も事前発表はなかった。