道路交通法の改正で、2017年3月から75歳以上の高齢者に対する認知機能検査が強化された。「認知症の恐れあり」と判定され、医師が認知症と診断した場合、免許取り消しの対象となる。沖縄県内では17年3月から18年末までに計4件の取り消しがあった。

 ■認知機能をテスト

 75歳以上の高齢ドライバーに務付けられている認知機能検査は、3年に1度の免許更新時に受ける。検査では日付確認に始まり、提示された16個の絵を記憶して書き出したり、提示された時刻をアナログ時計の大小の針を描いて示したりと、記憶力や判断力をテストする。

 4月24日、那覇市内の自動車教習所で検査を受けた女性(85)は「まあまあだった」との手応え。結果は100点満点中76点未満〜49点の「認知機能低下のおそれがある」第2分類だった。

 第2分類とされた人は、ドライブレコーダーを使った実技講習が義務付けられる。女性は現在自家用車を持ってはいるものの、事故を心配する息子から「運転はしないでほしい」と説得され、ここ半年は運転を控えているという。

 ■「車がないと…」

 しかし女性には「車がないと好きな場所に出掛けることもできない。運転自体は怖くもないし問題はない」と不満が残る。運転はせずとも免許更新するのは「いつか運転するときのため、ボケ防止のため」。高齢ドライバーの事故をニュースで見るが「自分が起こすとは思わない」と言う。

 同教習所によると、認知機能検査受検者の約2割が「認知症のおそれ」「認知機能の低下」の第1〜2分類に入る。49点未満の第1分類の人は医師の診断書提出が義務付けられ、認知症と判断されれば免許停止か取り消しとなる。

 受検者の中には第1分類に近い第2分類に入る高齢ドライバーもいるが、担当官は「点数が1点でもクリアしていれば運転するなとは言えない」。その上で「家族が危ないと判断すれば認知検査に関係なく免許証返納を促してほしい」と話した。(社会部・城間陽介)

5/9(木) 12:05
沖縄タイムス
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