◆ 宮崎で震度5弱、南海トラフ地震に影響か 島村英紀氏「周辺で起こりやすくなっている」

10日午前8時48分ごろ、宮崎県の宮崎市と都城市で震度5弱の地震があった。
気象庁によると、震源地は日向灘で深さは約25キロ。

地震の規模はマグニチュード(M)6・3と推定される。
日向灘は、M9級の超巨大地震の発生が懸念される南海トラフの西端に位置し、このところ地震が相次いでいる。
専門家は「大きな地震が起こりやすくなっている」と警鐘を鳴らす。

震度5弱を記録したのは宮崎県南部平野部と宮崎県南部山沿い。
近畿、中四国、九州の広範囲で震度1〜4の揺れを観測した。

午前7時43分にはM5・6で宮崎市などで最大震度3、午前9時7分にはM4・9で宮崎県美郷町で最大震度3も観測した。
夕刊フジで「警戒せよ!生死を分ける地震の基礎知識」(毎週木曜)を連載する武蔵野学院大学特任教授の島村英紀氏は、「日向灘の地震はフィリピン海プレートが起こしたもので、南海トラフと“兄弟分”だといえる。近年では珍しい大きい地震だ」と分析する。

今年3月から今月9日までの間、日向灘で震度1以上の地震が12回発生、3月27日には最大震度4と3を観測した。
気がかりなのは、震源が南海トラフ巨大地震の想定震源域内であることだ。

南海トラフ地震は東海沖から九州沖の海底に延びる溝状の地形(トラフ)に沿って発生すると想定され、東海、東南海、南海の3つの震源域が連動すればM9級に達し、30メートル超の津波を引き起こす恐れがある。
島村氏は「南海トラフのように、いつ地震が起きてもおかしくないとみられるところでは、プレートにひずみがたまっている状態だ。今回の地震で留め金の1つが外れたということならば、次は南海トラフにあたる日向灘の北側部分でも起こりやすくなる。名古屋、関西から日向灘周辺まで大きな地震が起こりやすくなっており、発生までのスパンも短くなっている」と指摘した。

解説図:https://www.zakzak.co.jp/images/news/190510/soc1905100027-p1.jpg

zakzak 2019.5.11
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