ビール大手4社の4月のビール系飲料の販売量が15日、まとまった。プライベートブランド(PB)を含む市場全体は前年同月比で5%増え、4月として3年ぶりに前年を上回ったもようだ。出荷日が1日多かったほか、キリンビールやサッポロビールが前年に業務用ビールを値上げしていた反動増があった。第三のビールは各社の新商品が出そろい、競争が激しさを増している。

アサヒビールのビール系は4%減。ビール、第三ともに4%減った。ビールは主力の「スーパードライ」が派生商品の展開もあり前年同月を上回ったが、昨年4月に新商品の「グランマイルド」を出した反動減があった。第三は競争の激化で「クリアアサヒ」が苦戦。新商品「極上〈キレ味〉」を1月に投入したがカバーしきれなかった。

キリンのビール系は12%増。前年は業務用値上げで販売が落ち込んだこともあり、反動でビールが14%増となった。4月には主力の「一番搾り」を刷新しており、さらに攻勢をかける。第三も2割増と好調で、「本麒麟」の販売が引き続きけん引している。

サントリービールのビール系は8%増だった。主力の「ザ・プレミアム・モルツ」できめ細かな泡をアピールする飲食店向けの販促が奏功し、ビールが9%増だった。第三は7%増。2月に発売した「金麦〈ゴールド・ラガー〉」が好調だった。

サッポロも前年の業務用値上げの反動があり、ビール系は14%増で、うちビールは26%増となった。主力の高級ビール「エビス」で新たに発売した限定商品などが寄与した。第三は7%減。4月に新商品「本格辛口」を発売したものの、主力の「麦とホップ」が落ち込み出荷量を押し下げた。

2019/5/15 14:27
https://www.nikkei.com/article/DGXMZO44820150V10C19A5XQH000/
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