県内の首長らに説明する総務(そうむ)省の宮地俊明公務員課長=神戸市中央区中山手通4
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 地方自治体で働く非正規職員の待遇改善を促す公務員制度改革が2020年度から始まるのを前に、兵庫県内の首長や議長らを集めた研修会が13日、神戸市内であった。総務(そうむ)省の職員が「官製ワーキングプア」の是正に向けて自治体の協力を呼びかけた一方で、首長からは国の財政支援を求める声が上がった。

 県が主催し、約150人が出席。総務(そうむ)省の宮地俊明公務員課長が講師となり、来年4月から施行される改正地方公務員法などについて説明した。

 宮地課長によると、地方自治体の財政状況がひっ迫する中、非正規の公務員は年々増加傾向にある。6カ月以上勤務する臨時・非常勤職員は05年に全国で45万6千人だったが、16年は64万3千人にまで急増した。

 県内市町の非正規職員は18年4月時点で約3万7千人。雇用期間は1年未満と不安定で、正職員と同じ仕事をしていても期末手当(ボーナス)が支給されないなどの状況が続いている。

 20年度からは非正規職員が、新たに創設される「会計年度任用職員」に移行。民間企業の「同一労働同一賃金」を目指す政府方針を踏まえ、常勤職員並みの給料水準と期末手当の支給が自治体に義務付けられる。

 合わせて、今後の公務員の定年制度についても「早期に65歳まで引き上げていく」との方針が示された。

 出席した各市町の首長からは人件費の財政負担が重くなるため、国に確実な財政支援を求める意見などが出された。(前川茂之)

神戸新聞NEXT 2019/5/13 19:40
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