アメリカのトランプ政権は、中国、日本、カナダ、メキシコなど、各国から輸入される鉄鋼やアルミニウムに高い関税を上乗せしています。アメリカは、このうちカナダとメキシコに対する関税を撤廃することで合意し、日本は取り残される形になりました。

アメリカの通商代表部は、国内の鉄鋼メーカーなどを守るため、海外から輸入される鉄鋼やアルミニウムに高い関税を上乗せしていますが、17日、カナダとメキシコと撤廃することで合意したと発表しました。

これを受けてカナダとメキシコは、アメリカ製品に対する報復の関税をなくすことで合意しました。

アメリカは去年11月、カナダ、メキシコとの新たな貿易協定に署名し、議会の承認を待っていますが、まず鉄鋼の関税をめぐる対立を解消すべきだという声が議会内に多かったことから、今回の合意で、承認に向け一歩、前進することになります。

トランプ大統領は17日の講演で、「今回の合意はアメリカにとってすばらしいものだ」と述べ、アメリカ経済の拡大につながるとアピールしました。

一方、日本の鉄鋼やアルミニウムには、中国などとともに今も高い関税がかかり、カナダとメキシコに取り残される形になりました。日本としては、関税の撤廃をどう実現するか戦略が問われることになります。

https://www3.nhk.or.jp/news/html/20190518/k10011920501000.html?utm_int=news-new_contents_list-items_001