菅義偉
2019年05月18日 18:43
先週、電気通信事業法の改正案が成立しました。
今秋から携帯電話の通信料金と端末代金の完全分離が徹底され、利用者にとって分かりやすくなります。

今や携帯電話は一人一台の時代であり、ライフラインのひとつとなりました。
一方で、家計支出における利用料は、デフレが続いていたこの10年間でも約4割も増え、家計を圧迫する大きな要因となっています。
携帯電話の利用料はOECDの調査によれば、日本は加盟国の平均の2倍程度、他の主要国と比べても高い水準です。

このように国民生活に欠かせなくなった携帯電話サービスですが、契約内容が複雑でわかりにくい、店舗での契約などに2時間かかる、通信と端末のセット販売、「2年縛り」や「4年縛り」など、利用者からみてサービスや料金が見合っているかが、わかりづらいという課題があります。

そのうえ、ドコモ、au、ソフトバンクの大手3社が9割のシェアを占める寡占状態です。大手3社は、携帯電話事業で7〜8千億円もの利益を上げ、全産業の利益率が6%程度の中で、大手3社は20%にも上ります。
昨年度の上場企業の営業利益ランキングでは、3社全てが10位以内に入っています。
国民の財産である電波の提供を受けているにも関わらず、充分な競争が働いているとは言い難い状況です。

事業者が過度に利益を上げるのではなく、利益やサービスは国民に還元されるべきであり、事業者間で競争がしっかり働く仕組みの整備は政府の責任です。

そこで今回の法改正により、通信と端末とのセット販売や「2年縛り」などをできないようにし、利用者にとって分かりやすい仕組みとしました。利用者が通信料金と端末代金、それぞれを単独で比較、選択できるようになり、競争の進展を通じて、通信料金と端末代金双方の価格が下がることが期待できます。

こうした流れを受けてドコモやauなどの携帯事業者は、通信料金を引き下げる新たな料金プランを発表し、10月には楽天が事業者として新たに参入するなど、これから携帯電話料金の引き下げに向けた本格的な競争がいよいよ始まりました。
新たなサービスの展開が見込まれる5G時代も見据え、利用者にとって分かりやすく納得できる料金・サービスを実現できるよう引き続き力を尽くしてい参ります。

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