発電ほぼゼロで収入1兆円 日本原電8年間分、本紙集計

 原発専業会社の日本原子力発電が、2011年度からの8年間で発電が
ほぼゼロだったにもかかわらず、大手電力5社から受け取った電気料金が
計1兆円近くになった。「基本料金」を支払う仕組みがあるためだ。
23日に発表された18年度の決算資料などから朝日新聞が集計した。
一方、原電がめざす東海第二原発(茨城県)の再稼働は、テロ対策施設の
建設問題で不透明感が増している。

 原電は原発を4基保有していたが、2基は廃炉作業中だ。残る2基のうち、
東海第二は11年3月の東日本大震災で運転停止に。敦賀原発2号機(福井県)は
同年5月上旬に止まり、それ以降の発電量はゼロだ。

 発電をしていない原電に電気料金を支払っているのは、
東京電力ホールディングス(HD)、関西電力、中部電力、北陸電力、
東北電力の5社。18年度の決算資料によると、原電は原発の維持、
管理費などの「基本料金」として5社から計1091億円の電力料収入を得た。震災後の11年度から年1千億〜1500億円ほどで推移し、
総額は9885億円になった。

 ただ、16年の電力小売りの全面自由化で大手各社も経営環境が厳しく、
値下げを求められている。原電の村松衛社長は「原発が長期停止し厳しい。
(各社から)効率化が強く要請されており、19年度(の電力料収入)は
1千億円を切る」と述べた。


朝日新聞デジタル(5/23(木) 18:01配信)
https://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20190523-00000082-asahi-bus_all