https://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20190524-00000002-kyt-sctch
 軽くて薄く、曲げられるフィルム状の次世代太陽電池を大型化させるための技術を開発したと、京都大などのグループが23日発表した。
災害時の避難用テントに取り付けるなどどこでも使える電力源として応用が期待でき、2021年度の実用化を目指すという。
成果は24日、ドイツ化学誌「アンゲヴァンテ・ケミー」に掲載する。

 メガソーラーなどで使われる従来のシリコン系太陽電池は固くて重く、曲面に設置しにくい。
こうした点を克服するため、京大化学研究所の若宮淳志教授や京大のCOIプロジェクトに参画する企業「プラスコート」(京都府久御山町)などのグループは
フィルム型の「ペロブスカイト太陽電池」の開発を進めている。
これまでは、基板に太陽電池の材料を塗る工程を短時間で行わなければならず、塗れる面積が限られたため、大型の太陽電池を作ることが難しかった。

 若宮教授らは、特殊な構造を持ち、溶媒に溶けやすい化合物「ハロゲン化鉛ペロブスカイト」を太陽電池の新たな材料として開発。
乾きにくい溶媒に溶かして基板に塗ることで、時間的に余裕を持って電池を作れるようになり、大型化させるための準備が整った。
変換効率も22平方センチの大きさで世界トップレベルの約14%を記録できたという。

若宮教授は「さらに変換効率を上げるとともに、企業の塗工技術を生かしながら量産化を進めたい」としている。

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