アメリカとイランの間の緊張が高まる中、安倍総理大臣が来月中旬にも日本の総理大臣としてはおよそ40年ぶりとなるイラン訪問を検討していることが分かりました。25日、日本を訪れるアメリカのトランプ大統領との日米首脳会談の結果も踏まえて最終的な対応を決めるものと見られます。

アメリカのトランプ政権はイランの脅威が差し迫っていると主張して、これまでに中東に原子力空母や爆撃機の部隊などを派遣したほか追加の兵士を派遣することも検討していて、反発を強めるイランとの間で緊張が高まっています。

こうした中、安倍総理大臣は来月中旬にもイランを訪問し、ロウハニ大統領との首脳会談に臨む方向で検討していることが分かりました。

安倍総理大臣は先週、急きょ日本を訪れたイランのザリーフ外相と会談し、核合意の履行継続に期待を示したうえで、日本とイランの伝統的な友好関係を維持・発展させていくことを確認しています。

安倍総理大臣は25日から日本を訪れるアメリカのトランプ大統領と今月27日に日米首脳会談に臨むことにしていて、この結果も踏まえて最終的な対応を決めるものと見られます。日本の総理大臣がイランを訪れるのは、革命直前の1978年に当時の福田赳夫総理大臣が訪れて以来で、訪問が実現すれば、およそ40年ぶりとなります。

安倍総理大臣は伝統的な友好国イランとの関係を重視していて、第2次安倍内閣が発足した翌年の2013年から毎年、ニューヨークで開催される国連総会に出席するのに合わせてロウハニ大統領と会談してきました。

安倍総理大臣にはイラン情勢の緊迫の度合いが増す中で、アメリカとイランの仲介役をねらい、緊張の緩和を図るねらいがあるものと見られます。

2019年5月24日 14時05分
https://www3.nhk.or.jp/news/html/20190524/k10011927471000.html
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