今月24日、滋賀県の名神高速道路で観光バスが渋滞している車の列に突っ込み17人が死傷した事故で、警察は逮捕された運転手が勤務するバス会社の大阪八尾市の営業所を捜索しました。

捜索を受けたのは東京にある観光バス運行会社「WORLD CABIN」の大阪八尾市の営業所です。

この事故は今月24日、滋賀県草津市の名神高速道路の上り線で、渋滞している車の列に観光バスが追突して、奈良県の58歳の女性が死亡し、孫で小学1年生の女の子(7)が依然意識不明の重体となっているほか、15人が重軽傷を負いました。

警察によりますと、逮捕されたバスの運転手、鈴木武容疑者(52)は脇見運転をしていたという趣旨の供述をしているということです。

警察は運転手の勤務状況を明らかにするため27日午前、過失運転致死傷の疑いで営業所を捜索しました。

警察はバスのドライブレコーダーや運行記録のデータを回収して、当時の状況や事故の原因を調べることにしています。

一方、この事故では近畿運輸局も八尾市の営業所の特別監査を行いました。
10人ほどの警察官が捜索
逮捕された運転手が勤務する大阪八尾市にあるバス会社の営業所では、午前9時半前に、警察の捜索が始まりました。

捜索では、10人ほどの警察官が、段ボールなどを持って建物の中に入っていきました。この営業所では、午前9時半ごろに近畿運輸局も特別監査を始めました。

近畿運輸局の担当者は「勤務管理が適正だったかなどを調べる予定だ」と話していました。
運行会社「心からおわび申し上げます」
滋賀県の名神高速道路で17人が死傷した玉突き事故を起こしたバスを運営していた会社が27日夜、会見を開き、「心からおわび申し上げます」と謝罪する一方、運転手の勤務や健康状態に問題はなかったと説明しました。

事故を起こしたバスの運営会社で東京に本社がある「WORLD CABIN」は、27日大阪・八尾市にある営業所が警察の捜索を受け、そのあと午後7時から大阪・堺市のホテルで記者会見を開きました。

この中で河村※えん玲社長は「被害に遭われた方に深くおわび申し上げます」と謝罪しました。

一方、逮捕された52歳のバスの運転手は、警察の調べに対し「脇見運転していた」という趣旨の供述をしていますが、会社側は、運転手の勤務や健康状態に大きな問題はなかったと説明しました。

会社によりますと、運転手は19年間、大型バスの運転に携わっていて、今月は事故を起こすまでに4日間の休日があり、高血圧などの症状はあるものの、運転前の点呼で問題はなかったということです。

そのうえで会社側は「被害者に対し真摯(しんし)に対応するとともに原因調査に努めたい」としています。

※「えん」は「さんずいに元」


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NHK 2019年5月27日 20時33分
https://www3.nhk.or.jp/news/html/20190527/k10011930991000.html?utm_int=news-new_contents_list-items_001