05月30日 12時38分

千葉県は稲の苗を食い荒らす外来種の巻き貝「ジャンボタニシ」が大量発生するおそれがあるとして注意報を発表し、農家に対策を呼びかけています。

ジャンボタニシは南米原産の巻き貝で、最大で8センチほどの大きさまで成長し、植えたばかりの若い稲の苗を食い荒らすため、農林水産省が有害動物に指定しています。

千葉県は田植えの時期にあわせてジャンボタニシの発生状況を調査していますが、ことしは平年の5倍以上の個体数が確認されるなど、過去10年で最悪の結果となりました。

このため千葉県は「ジャンボタニシ注意報」を発表し、県内の農家に対して、対策をとるよう呼びかけています。

ジャンボタニシは3日から4日に1度のペースでピンク色の卵を産卵するなど繁殖力が強く、県は対策として、
水田やその周辺で個体や卵を見つけたらすぐに取り除くことや、駆除剤を散布することなどが有効だとしています。

千葉県農林総合研究センターの栗原大二病害虫防除課長は
「この冬の平均気温が比較的高かったため、通常は寒さに弱く冬を越すことができずに死んでしまうジャンボタニシが、生き残ったと考えられる」と話しています。

千葉県山武市の小川利吉さん(65)の2.5ヘクタールの水田では、先月末に田植えが行われましたが、
ジャンボタニシによって植えたばかりの苗が食い荒らされ、池のような状態になっているところもありました。

また水路の側面や稲の茎の部分には、たくさんのピンク色の卵が産みつけられていました。

小川さんは駆除剤をまいたり、水の量を少なくしてジャンボタニシが生息しにくくしたりするなど対策を取っていますが、
すでに全体の1割から2割の苗が食べられてしまったということです。

小川さんは「例年にない異常発生で、米作りにとって最大の天敵だ。
ことしは対策に失敗したと思うが、この経験をいかして、来年のジャンボタニシとの戦いをどうするか考えていきたい」と話していました。

https://www3.nhk.or.jp/lnews/chiba/20190530/1080006000.html