Amazonが「自閉症は漂白剤を飲むことで治療可能」とする本をサイトから削除
2019年05月29日 11時12分

by Movidagrafica Barcelona

近年、「自閉症はワクチン接種によって引き起こされる」「自閉症は漂白剤を飲むことで治療可能」といった誤った情報が広まり、大きな問題となっています。そんな誤った情報の拡散を防ぐため、Amazonは危険な治療法を訴える本をサイトから削除したとしています。

Amazon removes books promoting dangerous bleach 'cures' for autism and other conditions
https://www.nbcnews.com/tech/internet/amazon-removes-books-promoting-dangerous-bleach-cures-autism-other-illnesses-n1010861

Parents are poisoning their children with bleach to 'cure' autism. These moms are trying to stop it.
https://www.nbcnews.com/tech/internet/moms-go-undercover-fight-fake-autism-cures-private-facebook-groups-n1007871

「自閉症を治療するには二酸化塩素が効果的」とする説の拡散によって、親が子どもに二酸化塩素を含む漂白剤を飲ませるといった事例が発生。子どもに漂白剤を飲ませて自閉症の治療を試みる親たちのFacebookグループでは、実際に子どもに漂白剤を飲ませた時の反応などが書かれています。

もちろん、漂白剤によって自閉症を治療することはできません。漂白剤を飲むと人体に深刻な害が出るとアメリカ食品医薬品局(FDA)も警告しており、誤った情報の拡散は子どもたちの安全を脅かす大きな問題です。

Amazonは2019年5月28日、科学的根拠もなく「二酸化塩素を含む自家製の漂白剤が、マラリアから自閉症まで幅広い病気を治療する」と主張する10冊以上の書籍をサイトから削除したと発表しました。これらの本にはジェネシスU教会という教団を組織して、「二酸化塩素を含むラクルミネラルソリューション(MMS)という治療薬があらゆる病気に効く」と主張するジム・ハンブル氏の著作も含まれているとのこと。


アメリカでは危険な治療法の拡散だけでなく、予防接種を避ける反ワクチン的な思想の人々が増えることで、予防接種を受けていない子どもに対して公共の場への外出禁止令が出されたりと、健康上のリスクが高まっています。そのため、GoogleやFacebook、YouTubeといった大手IT企業は積極的な対策を進めており、Amazonも2019年3月から自社サイト上での危険な治療法を宣伝する本の削除を開始し、誤った情報の拡散を防ぐ取り組みを進めています。
https://gigazine.net/news/20190529-amazon-removes-books-bleach-autism/