岐阜県や愛知県で豚の伝染病 豚コレラの発生が続いていることから、農林水産省は愛知県の一部の地域にある養豚場のすべての豚の出荷などを要請し、一時的に豚がいない状態にして消毒などを徹底する「早期出荷」の措置をとることを明らかにしました。

豚コレラは去年、27年前の平成4年以来となる発生が岐阜県で確認され、5府県に拡大したあと、岐阜県と愛知県で発生が続き、殺処分の対象となった飼育施設は50余り、殺処分した頭数はおよそ10万頭に上っています。

農林水産省は、発生を食い止めることができていないことから、愛知県瀬戸市と小牧市の一部の地域を対象に、出荷前や繁殖用も含めたすべての豚を出荷などする「早期出荷」の措置をとることを明らかにしました。

対象地域には6軒の養豚農家があり、感染が起きた4軒ではすでに殺処分が行われているため、早期出荷が要請されるのは2軒だということで、3か月から9か月程度地域に豚がいない状態にして消毒を徹底するほか、ウイルスの侵入を防ぐ施設整備などを行うことにしています。

農林水産省は愛知県と協力して、早期出荷に応じた農家に補償を行うほか、経営を再開するために繁殖用の豚を再び導入する費用なども支給するとし、国はこれらの事業費としておよそ8億円を用意したということです。

農林水産省は岐阜県とも早期出荷の実施に向けて調整を進めているとしています。

農林水産省はこれまで、養豚場の衛生管理を徹底させることで感染防止を目指してきましたが、野生のイノシシがウイルスを拡散させていると見られ、拡大が止まらない状態が続いていました。

農林水産省は「愛知県田原市は感染拡大にイノシシの関与が低いと見られるので早期出荷の対象から外した。生産者に丁寧に説明して感染拡大を食い止めたい」と話しています。

2019年5月31日 14時04分
https://www3.nhk.or.jp/news/html/20190531/k10011936001000.html
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