川崎・登戸20人殺傷、岩崎容疑者の自宅から猟奇本と奇怪ノート押収
SANKEI DIGITAL INC.
2019.6.1 05:03
29日に行われた家宅捜索では、ノートや猟奇的殺人を扱った雑誌などが押収された =川崎市麻生区  川崎市多摩区で私立カリタス小の児童らが殺傷された事件で、自殺した岩崎隆一容疑者(51)=同市麻生区=の自宅から押収された物の中に、「正」の字が繰り返し書かれているノートや、過去に海外で起きた猟奇的殺人事件を扱った雑誌2冊があったことが31日、神奈川県警への取材で分かった。また県警は同日、新たに女児1人の軽傷が判明したと明らかにした。被害者は計20人となった。

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 岩崎容疑者宅の家宅捜索は29日に行われたが、犯行に使った包丁の空き箱など計数十点の押収品には、驚きの事実が含まれていた。

 ノートには、事件の動機や計画を示唆するようなめぼしい書き込みはなかった。一方で「正」の字ばかりが繰り返し書かれていた。捜査幹部は「意味不明なことが書いてあるという印象」と首をかしげる。

 さらに、過去に海外で起きた連続殺人事件を扱った雑誌2冊も見つかっていたことが判明。海外で発行されたシリーズを日本向けにした、10年以上前のものとみられる。

 1981年6月にフランス・パリで日本人男性留学生が友人のオランダ人女性留学生を銃殺の上、食べた「パリ人肉事件」が取り上げられているほか、海外の大量殺人事件などが掲載されているという。

 県警は、現段階で雑誌が直接犯行に結びついたとはみていないが、入手時期や事件との関連を調べている。

 また、犯行直前の岩崎容疑者の動きも詳しく分かってきた。自宅を出たのは28日午前7時頃。近隣住民が目撃していた。自宅から最寄りの読売ランド前駅までは徒歩で15分前後。住宅街で防犯カメラはほとんどないが、県警は立ち寄り先はなかったとみている。

 読売ランド前駅からは防犯カメラに岩崎容疑者の映像が残っており、同駅が午前7時半前、3駅先の登戸駅は同35分頃だった。

 JR南武線の線路沿いを現場方向に歩きながら作業用手袋を両手に着けた。コンビニ駐車場ではリュックサックを前に抱えてしゃがむ姿が捉えられ、直後の同40分頃に事件が起きた。

 県警は、駐車場で児童がたくさんいるのを確認し、リュックから包丁2本を取り出し、両手に持ったとみている。一連の動きから、自宅を出る際には襲撃を決意していたとみて捜査している。
https://www.sanspo.com/smp/geino/news/20190601/tro19060105030001-s.html