https://www3.nhk.or.jp/news/html/20190601/k10011937721000.html

取り調べの録音・録画 きょうから義務化
2019年6月1日 20時07分

殺人など裁判員裁判の対象事件と検察の独自捜査事件を対象に取り調べのすべての過程の録音・録画を義務づける新たな制度が1日から始まりました。不当な取り調べを防ぐことが主な目的ですが、その映像を有罪の立証のために法廷で上映すべきかどうか裁判所の判断は分かれています。

1日から始まった取り調べの録音・録画の義務化は元厚生労働省の村木厚子さんが無罪になったえん罪事件などをきっかけにした刑事司法改革の柱の1つです。

殺人など裁判員裁判の対象事件と、検察の独自捜査事件を対象に原則として容疑者の取り調べのすべての過程の録音・録画が義務化されました。

検察は、対象事件のほぼすべてについて、すでに全過程を録音・録画しているほか対象以外の多くの事件でも積極的に取り組み、平成29年度の実施件数はおよそ10万件に上っています。

最高検察庁は取り調べをめぐるトラブルの防止に録音・録画は一定の効果を上げているとみています。

一方、判断が分かれているのは自白の場面が録画された映像を有罪の立証のために利用するかどうかです。

これまで映像が上映された裁判では、自白の様子などから被告の犯行を認定したケースが複数ある一方、印象に基づく直感的な判断になる可能性があるとして映像で自白の信用性を判断することを違法と指摘した判決も出ています。

検察は今後も必要性があれば、取り調べの映像を有罪の証拠として利用したい考えで、取り調べの映像を裁判でどう取り扱うべきか議論を深めることが求められています。

録音・録画義務化の経緯
(リンク先に続きあり)